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博士後期課程2年の柳澤吉紀さんが低温工学・超電導学会で優良発表賞を受賞

【在学生関連】 掲載日: 2011/05/30
2010年12月に鹿児島で開催された第83回2010年度秋季低温工学・超電導学会で都市環境システムコース中込研究室博士後期課程2年の柳澤吉紀さんが発表した「YBCOソレノイドコイルの遮蔽電流磁場に及ぼすコイル形状の効果」が優れた研究発表であったため「優良発表賞」を受賞しました。2011年5月につくばで開催された第84回2011年度春季低温工学・超電導学会で授賞式が行われました。

研究の内容


近年実用化フェーズへ進んだイットリウム系高温超伝導線材は、近未来の社会基盤を支える有力な技術として期待されています。この超伝導線材は安価な液体窒素で冷却ができ、従来の超伝導線材と比べてはるかに高強度であるため、電力応用である電力ケーブルや電力貯蔵装置、医療・診断応用である核磁気共鳴分光装置やMRI装置などを広く社会に普及させるポテンシャルを持った技術として期待されています。
イットリウム系高温超伝導線材は線材としての特性については数多くの研究がなされてきましたが、多くの応用で用いられるコイルとしての特性や問題はほとんど明らかになっていませんでした。柳澤さんらはイットリウム系高温超伝導コイルを製作し、いち早くコイルに関する研究をスタートさせて技術課題を検証しました。この研究によってイットリウム系高温超伝導コイル特有の技術課題として(1)電磁気的問題(遮蔽電流)と(2)機械的問題(特性劣化)を明らかにして国内外の学会や論文誌に発表してきました。
今回受賞した発表は(1)に関する研究で、この問題をはじめて系統的に取り扱ったものです。この成果は特に核磁気共鳴分光装置やMRI装置に必要となる精密な磁場を実現する上で重要な知見となります。

この研究は、(独)科学技術振興機構の研究成果展開事業「戦略的イノベーション創出推進プログラム(S-イノベ)」の助成を受けて、主に理化学研究所と共同で行ったものです。

指導教員:中込秀樹
中込研究室ホームページ
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